理事長・校長日記キャリア部
自分の才能、心の声に正直に生きる
先週末は非常に勢力の大きな台風が日本に上陸しました。台風による被害を受けられた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
本校は幸いなことに大きな被害を受けず(強風によって、校庭の木が少し斜めになっているものがあった程度です)、生徒たちと教職員の私たちが日常の生活を送ることができることを改めて感謝しています。
そんな週末、何冊かの本を読み、また映画を見て、心から感じたことがありました。それは「自分の才能、自分の心の声に正直に生きることの大切さ」です。
あるアメリカ人の女性が書かれた本を読んでいたときに、こんなことが書かれていました。
女の子は、”女の子ってこういうもの”、という決めつけの影響を、ゆっくりと知らず知らずのうちに受けている。自分がそう行動したいかどうか、そういう才能をもっているかどうかを実感するまえに、(自分の心の声にではなく)世間の”女の子はこういうものだ”というシグナルに耳を傾けている。
また、”Green Book“という昨年のアカデミー賞作品の映画(人種差別の残る時代のアメリカでピアニストとして生きた実在のアフリカ系アメリカ人と、彼を支えたイタリア系アメリカ人のお話です)を見たときに、こんな言葉も心に響きました。
Anyone can sound like Beethoven. But your music, what you do, only you can do that.(誰もがベートーベンを弾いてそれらしく聞かせることはできる。でも君の音楽、君がやっていること、それは君にしかできないことだ。)
このような本を読んだり、映画を読んだりして、私は自分の過去(中学~高校~大学以降)を思い出していました。
- 女性なんだから、そんな大学のそんな学部に行くべきじゃない
- 女性なんだから、1人で海外になんて行くべきではない
- 女性なんだから、男性と同じように働く必要はない
- 女性なんだから、大学院で海外留学なんてしないで家庭に入れば良い
・・・・・・。数えきれないくらい、こういうことをさまざまな人に言われてきたなぁということを、思い出しました。でも、そのたびに、どうして「女性なんだから」という一言で、私の行動・人生を制限されなくてはいけないのだろう、といつも感じていました。私の人生くらい、私が決める、といつも思っていました。だから、「そんな大学のそんな学部」(確かに男性が非常に多い学部ではありました)と言われたところに進学し、1人で海外に行き、男性と同じように働いて、行きたいと思ったから(行かないと一生後悔しながら生きると思ったから)大学院に留学しました。
私は、後輩女性の皆さん一人ひとりに才能があり、皆さん一人ひとりが「私はこうしたい」という心の声を殺さないで生きて欲しいと、心から思っています。英理女子学院キャリア部で、皆さんにお願いしたいのは、自分の才能にまず気付いて欲しい、気づいたらそれを殺さないで欲しい、むしろ最大限活かして欲しい、そして自分の心に正直に生きて欲しい、ということです。
そのためにこの学校の教育を創っていくんだ、という想いを改めて強くした、そんな数日でした。