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理事長・校長日記iグローバル部

「協働」する2021年に

本日より3学期が始まりました。

また、2021年のスタートでもありますので、教職員の皆さんに年頭のあいさつを致しました。その一部をこちらでもご紹介します。


新年明けましておめでとうございます。

2021年の年初にあたり、ご挨拶申し上げます。

本日は3学期の初日ですが、昨日「緊急事態宣言」が発令され、非常事態の中での年明けとなりました。コロナウイルスの状況は非常に厳しく、このコロナウイルスと当分の間ともに生活することを余儀なくされそうです。私たちは第二次世界大戦以降、最も困難な「国難」、ですが国難とだけに限定できない「世界全体での困難」に直面していると言えるかと思います。

この非常事態の中で、昨年は先生方が、柔軟に・果敢にオンライン授業やオンライン行事、オンライン学校説明会などに取り組んでくださいました。改めてお礼申し上げます。

2021年も引き続きコロナウイルスの感染拡大という状況のもとで、生徒にとって大切な学校教育を実践していくことが求められています。

 

そのような私たちがこの1年を歩んでいくときに大切にしたいのは、「協働」するということです。この協働は、漢字を分解していくと「人とともに動く」という意味になると思いますが、そのことの大切さを感じたエピソードを一つご紹介したいと思います。

 

 

 

それは、私の出身大学のキャンパスの「山食」という学生食堂についてです。この山食、誰もが1度はそのカレーを食べたことがあるという、大学の食堂です。80歳を越える社長以下、数人の皆さんで経営されています。昨年の12月15日のことですが、私はこの山食がコロナウイルスの影響(→大学の授業がほとんどオンラインになってしまい、キャンパスに学生が来ない状態が続いているため)で経営の危機に瀕していることを知りました。山食の社長さんが、クラウドファンディングで500万円の運転資金を集めようとしているというニュースを読みました。その時までにすでに銀行からの借り入れをしており、その資金も底をつきそう、その先はもう倒産しか残されていないということで、最後の望みをかけてクラウドファンディングに挑戦することにしたそうです。80代の社長はお孫さんや、大学の事務局などの色々な方の力を借りて、この挑戦を現実のものにしました。

結果、ですが、わずか数時間のうちに目標の500万円は達成し、1ヶ月弱の現時点(1月7日時点)で目標の6.5倍ほどの3,300万円を、3,200人以上の人から集めることができています。

主にこの寄付を行ったのは大学の卒業生のようで、私自身も「山食」をなくすわけにはいかない!とわずかながらの応援をしたのですが、その卒業生の中からは

「このように山食のために多くの金額が集まり、山食が継続できそうなことは喜ばしい。だが、この状況で困っている人は他にもたくさんいるので、山食+αがこのクラウドファンディングで元気になるようなきっかけとなれば良いのでは」

というアイデアも出てきているようです。

私はこの数週間の動きを見ていて、感じました。山食の件は、今のコロナという非常事態で苦しんでいる人々・組織を象徴する一つの事例であること。この大変な状況を乗り越えていくためには、皆が力を合わせて動くこと、「協働」することがきわめて大事だということを、痛感しました。

自分だけ、自分のクラスだけ、自分の学年だけ、ではなく、この学園内で皆が協力する。学園内にとどまらず、学園の外の方々とも良い形で協働しながら、前進してこの傷ついた社会を再び構築していくことが、この2021年に必要だと信じています。

そして、今この状況で最も優先するのは、生徒・教職員の皆さんの「生命・健康」です。学校活動の今後の在り方を考えるときに、最優先されるべきは「いのち」です。そのことを胸に刻みながら、「協働」して進む2021年としていきましょう。

本年もどうぞよろしくお願い致します。