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GRIT(やり抜く力) – Stanford e-Eiri最終回

先週土曜日の午前中に、2年生の参加しているStanford e-Eiri(スタンフォード大学と本校をオンラインでつないで実施しているオリジナル講座)の最終回が行われました。

今回は担当チームが”Discrimination Against African-American”というテーマで米国における黒人差別の問題について40分間の英語の授業を行うことになっていました。

 

このStanford e-Eiriでは、「40分間」を単に生徒たちが一方的に発表するのではなく、他のクラスメートがそのテーマについてディスカッションしたり考えたりするようにクラスを構成することが求められています。

 

 

講義の中に含める必要があると指示されていることは

- Introduction (導入)

–  Rationale(なぜこのテーマを取り上げる価値があると判断したかの理由)

– Effect of COVID-19 (COVID19の影響をどのように受けたか)

– Solution(このテーマを解決するための方法)

– Impact(その解決策で、どのくらいの影響・インパクトがあるか)

ということだけで、あとは生徒たちが創造性を発揮して授業を組み立てて行く必要があります。リサーチを行い、その上で生徒たちがそのテーマについて考察し、クラスメートに伝えたいメッセージを構築したのち、授業をいかに構成するか・どのような問いを投げかけるか、などを考えていくことが求められています。

今回担当したチームは、かなり早くから授業の準備は始めていて、2週間前にはStanfordの先生からのアドバイスをもらっていたものの、授業の前日になるまで授業の構成をまとめきれずに苦しんでいました。

イギリス人の先生、アメリカ人の先生、そして私も加わって最終下校時間まで

「こうしたほうが良いんじゃない?」

「でも・・・」

「あのね、もうあと12時間しかない中で、枝葉にこだわる時間は無いでしょ。みんながクラスのメンバーに伝えたいというメッセージの幹の部分をしっかり決めさえすれば、細かい枝葉は正直、そんなに重要じゃないの。」

「・・・。」

というやり取りを下校時間直前までしていて、本番はどうなるかと思っていました。

しかし、そんな彼女たちが12時間で驚くほど内容をまとめあげて、クラスディスカッションも盛り上げる素晴らしいファシリテーターぶりを発揮してくれました。

このチームの生徒が、

「なんとしても、成功させたい」

と言っていたこと、それでも直前まで苦しんでいたことを思って、私は感無量でした。

彼女たちには今回、”GRIT”(やり抜く力)が明らかに育って行ったと思います。この力は、この講座だけでなく、今後の人生を生きて行くうえでもきっと役立つ力だと確信しています。

人生のあらゆることに直面するとき、「きめられたやり方」「いつもこうしてああして、とガイドしてくれる人」は存在しません。自分(たち)で、なんとか苦しい局面も乗り越えてやり遂げる、そのことがとても大切だと思います。それを高校生のうちから自ら体感し、「乗り越えられた」「できた!」という経験を得ることができたのは、非常に大きな財産になることでしょう。彼女たちの頑張りを、心から誇りに感じました。