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「融合」の 2023年
1月10日になりました。本日より2023年の英理女子学院、そして新学期が始まりました。
毎回、全校生徒が集まる場では、私から「未来の女性リーダーたち」へメッセージをお伝えしています。通算9回目となる今日の始業式では「多様性を尊重する」ことの大切さについて、お話をさせて頂きました。
私がイギリスの大学院に留学している時、国籍も性別もそれまでの仕事もバラバラの6人が1年間同じグループで全ての授業の課題を一緒に取り組むことになったとき・・・その際の私の驚き・違和感・気付きなど、超リアルな体験から
「やはりさまざまな背景・価値観を持つ人を尊重する(まずは話を聞いてみる)ことがとても大事」
だと思ったこと、そしてそれこそ今後の社会を生きていく上で、非常に大事な生きる力の要素になると考えているということをお話ししました。
さらにその後、先生たちに向けて年頭の挨拶を致しました。その内容の抜粋を、こちらにもご紹介します。
新年、おめでとうございます。
この年明けもまた、コロナウイルスの感染が拡大したり、インフルエンザが流行していますが、元気に年末年始を過ごされましたでしょうか。皆様にとって2023年が健康で佳い1年でありますよう、お祈りしております。
さて、2022年の世界を見回してみると、様々な「分断」がグローバルに悪影響を及ぼした年だったのではないかと感じます。最も衝撃的な出来事は、ロシアによるウクライナへの侵攻で、この戦争による世界の「分断」が、世界中の人の生活に大きな影響・被害を及ぼしたように感じました。
また、2022年の本校は「Withコロナ」で生徒たちの教育活動をできるだけ実施するという方針に転換しました。体育祭、文化祭、修学旅行、海外研修など、これまでコロナ禍で中止または大幅な制限をしていた教育活動を再開した1年でした。コロナの感染リスクを抑えながら、こうした教育活動を進めるうえでは、先生方に大変ご苦労をおかけしました。改めてお礼申し上げます。
こうした昨年の本校での経験を振り返ると、教職員が1つにまとまって向きあったことについて、スムーズに進むことが多く、私たちが今ひとつ一丸となって取り組むことができなかった、分断されていたということについては、必ずしも芳しい結果が得られなかったのではないかと感じています。
先日、私は私自身が10年以上習っている華道の新春初いけ研究会というものに参加しました。私が学んでいる華道の「池坊」という流派では、「生花」という花いけの中に「1種いけ」「2種いけ」「3種いけ」という「型」があります。「2種いけ」や「3種いけ」では、異なる草木(そうもく)を一つの作品の中にいけることになりますが、それらをバラバラのままにしてしまうのではなく、お互いを良い具合に関係させること、融合してお互いの美しさを補い合って調和させることが大切であるというお話をうかがいました。それには融合させるという「意思」が大事だそうです。
これは、まさに私たちの学校にも、また世界にも、あてはまることだと感じました。社会においては「多様性」が非常に大切です。それはこの学校内においても同様です。その多様性をお互いが尊重し、補い合い、引き立てあうことができたとき、私たち自身も、生徒たちも豊かな経験ができる、強い組織ができると考えています。
教科、学年、学部を融合する、文系・理系を融合する、教科書の学びと実社会を融合する、仲間の多様な価値観を融合する、このように「融合」させることを特に大切にしながら、社会に多くの価値を生み出せる「信頼し得る婦人、実際に役立つ婦人」を育てていく年としたいと思います。
「融合」の2023年。本年もどうぞ、よろしくお願いいたします。